FMEA辞書

品質問題未然防止の道具(=“FMEA辞書”)の活用によるFMEAとDRの効果的実施方法

【対象者】
 開発設計・生産技術・品質保証・製造部門の初心者から中堅技術者

【概要】
近年、消費者保護の観点から品質問題に対する市場対策費用は著しく増加しています。この品質問題を分析すると、原因は既知のもの(再発)が多く、失敗事例を共有化し全社ノウハウとして活用しておれば設計段階で気づき未然防止が可能であったことが分かります。
本研修では、講師が元職場で大きな成果を上げてきた新たな道具である“FMEA辞書”※を詳説すると共に、これに基づくFMEA及びデザインレビューの効果的な実施方法を具体的に解説します。
※“FMEA辞書”:品質トラブルを未然に防ぐため、過去トラブルを設計現場で効果的に活用できるよう工夫したもの。この”FMEA辞書”により、忙しい時でも、知りたい事が直ぐに探し出せ、設計者やデザインレビュー審議者も、抜けの無いチェックが容易にできます。

【目次】
1.はじめに(FMEA説明と仕事の重要ポイント)
【 FMEA、及びデザインレビューとは何か。FMEA、デザインレビューを効果的に実施するポイント
 を解説 】

2.設計不具合の反省  
【 実際の不具合事例をもとに、どう品質問題を防げば良いか考える 】
 2.1 品質問題の分析  
 2.2 心配点に気づくための仕組みづくり

3.未然防止の活動事例  
 3.1 気づき能力強化 FMEA作成、チーム活動の道具           
【 開発した品質問題未然防止の道具について説明する。この道具を、FMEA作成やデザインレビュー時
 にどう使うか説明する 】
  3.1.1 FMEA辞書          
  3.1.2 キーワード集   
  3.1.3 マクロFMEA作成シート 
  3.1.4 機能展開FMEA  (参考)     
  3.1.5 まとめ 
 3.2 気づきの道具を活用したPQDR (チーム活動) の改善 
 【 FMEAのデザインレビューのやり方を事例を使って説明する 】
  3.2.1 実施計画(新規点・変化点の明確化) 
  3.2.2 実施方法(心配点の抽出)     
  3.2.3 心配点に気づく道具の効果

4.管理面(人材育成、しくみ)の改善
【 品質問題がなぜ起きたのか反省すると、ハード面の歯止めのみでなく、管理面の改善をしないと予防
 品質は不可能である。品質問題の多くは、設計者の問題ではなく、管理面が原因である事が多い。
 ここでは管理面の改善事例について説明する 】

5.FMEAの演習
 FMEAとはどんな物か知ってもらうための演習を実施する。



"<参考> 講師からのひと言
研修の狙いは二つです。それは 1..FMEAの効果的な実施方法 2.デザインレビューの効果的な実施
方法を学んで頂きたいことです。 

1.FMEA
FMEAの目的は、見えていない問題を見つけて未然に解決することです。FMEAでよく言われるのは、
「FMEAを実施しても何の役にも立たない」ということです。これは、設計者一人で実施して、上司が
適当に見てチェックして終了というケースが多いからではないでしょうか。設計者が実施した後、専門
家等を集めてチーム活動し、設計者が気づかなかった心配点を指摘する活動が必要なのです。実施した
としても、一回くらいやって、終了というケースも多い。これをどう改善したらよいかを学びます。 

2.デザインレビュー
デザインレビューは、性能・信頼性・価格・納期について、設計・品保・製造等の専門家や有識者が審
査し、改善を図ることです。デザインレビューについて良く言われるのは、「活発な議論にならない」
「議論が発散する」「一方的な設計説明で終わる」「形式的なDRになっている」などです。今回は、FMEAを設計者が実施した後、このFMEAの抜けを補てんするチーム活動デザインレビューの実施方法を
紹介し、良く言われるデザインレビューのまずいやり方を解決する手法について説明します。最後に、
FMEAとはどんなものかを体験する演習を実施します。"