~危険性を理解し、製部品での留意点・材料の選定を学ぶ~
【対象者】
水素を扱う製部品に関わる技術者
【概要】
水素は危険なガスと言われていますが、アセチレンガス等、水素よりも爆発し易いガスも一般的に使用されています。水素が危険なのは、著しく軽い、リークし易い、材料の中に入り込む、といった他のガスには無い特性があるため、危険と認識されていると思われます。また取り扱いの知識が無いことが原因で、突然大きな事故を起こす危険性はあります。本講座は、水素の危険性(材料への侵入・蓄積・破壊)に関する基礎知識を中心に、水素取り扱いの基礎知識を解説いたします。併せて、水素の特性を踏まえた製部品での留意点・材料の選定などを学びます。
【目次】
1.水素ガスの特性と安全対策(危険性と対応/他のガスとの比較など一般論)
2.水素燃料電池自動車と水素
(危険性/燃料電池自動車での水素の危険性に対する対応と法規制)
2-1. 水素貯蔵と供給システムの課題
2-2. 法規制
2-3. 自動車以外の水素燃料電池の利用状況(利点、将来性、動向の概要)
(注)これについては講師の知識の範囲内での簡単な紹介です。
3.金属材料と水素-透過,脆化(危険性/金属の水素脆化-破損 に関して)
3-1. 高圧水素ガス中で鋼材料が脆性破壊(水素脆性)を起こすことがある!
具体的事故事例を示し解説
3-2. 何故,金属材料(鉄系)を脆化させるのか?
3-2-1. 金属中の水素原子
3-2-2. 金属中の水素の分析方法
3-2-3. 金属材料における水素の透過と脆化の基礎知識
3-2-4. 水素が金属の引張り強度に与える影響
3-2-5. 水素が金属の疲労強度に与える影響
3-2-6. 水素が金属の摩耗現象に与える影響
4.水素シール:ゴム材料(+樹脂材料)と水素 - 危険性(ゴムのブリスタ)
(注)ガスシールには金属、樹脂、ゴムがあります。特にゴム材料での水素による
ブリスタ(含有水素が減圧下で膨張し材料が損傷する)問題を紹介します。
シール技術や方法の紹介ではありません。
5.水素取り扱い作業 (危険回避)
水素を「漏らさない」,「早急に検知し漏れを止める」,「溜めない」
「着火させない」,「着火しても大事故にしない」
これらを基本にリスクアセスメント(RA)についても,その要領を簡単に紹介する
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<講師コメント>
水素は危険なガスと言われていますが、アセチレンガス等、水素よりも爆発し易いガスも一般的に使用されています。
水素が危険なのは、著しく軽い、リークし易い、材料の中に入り込む、といった他のガスには無い特性があり、
こうしたことに馴染みが無いためではないかと思っています。また、知識が無いため、ある日突然大きな事故を起こす危険性もあります。
そこで、このセミナーでは、爆発だけではない水素の危険性(材料への侵入、蓄積、破壊)に関する基礎知識を中心に知ってもらいたいと考えています。
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