タグチメソッド(品質工学)

【対象者】
開発、設計、品質、生産技術、及びこれらに類する業務に従事する方。初心者から中堅技術者まで。

【概要】
タグチメソッッドは、品質工学とも呼ばれ、故田口玄一博士が普及させた品質向上のための体系です。タグチメソッッドはアメリカの製造業を技術停滞から救ったと評価され、田口博士は、豊田英二氏、本田宗一郎氏と並び自動車産業に貢献した技術者として米国の自動車殿堂入りしています。
 このタグチメソッドにより、製品品質は確実に安定化でき、工場内のみならず出荷後の客先でのトラブルを大幅に減らすことができます。さらに、品質工学の主柱であるパラメータ設計を実施することにより、頑健性(ロバスト設計)を評価し確立できます。タグチメソッドには、「品質は損失」、「目標仕様値の達成よりばらつきを減らすことを優先する」など、逆説的でユニークな考え方や技術活動がありますが、技術開発を効率的に実現していく方法論として、最近 日本でも注目を浴びています。
本研修は、タグチメソッッドの基本手法であるパラメータ設計の理解を深め、田口博士による設計開発の取り組み方を、身近な例も入れて分かり易く解説していきます。また演習を通じ、実務への活用に繋げて頂きます。

【目次】

1. 品質の捉えかたとSN
(0)品質工学理解のために
(1)品質の定義(損失)
 -品質工学の特徴は、品質を社会に与える損失と定義して評価
(2)損失関数とその活用
 -規格に入っていても、狙い値から遠ざかれば品質レベルは低くなる
(3)オンラインでの活用  
(4)SN比、ノイズ、感度、
 -ばらつきの評価をSN比として評価
(5)ANOVAの数理、誤差、寄与率、
(6)演習

2.パラメータ設計
(1)頑健性の考え方
 -ばらつきを安定させることに効果のある要因と、狙い値への適合性に効果のある要因は異なる
(2)パラメータ設計
 -第1段階としてばらつきを最小化させ、第2段階で目標値へ合わせ込む、2段階設計法
 直交表への割り付け、解析法
 -制御因子や誤差因子の割り付け、データの2乗和や分解のデータ解析方法)
(3)SN比の適用
(4)事例紹介
(5)品質工学の今後の動向
(6)質疑応答

3.全体まとめ