金属材料の腐食防食

  金属材料の腐食防食に関する基礎知識

【対象者】
開発・設計・品質・生産技術・生産部門の初心者から中堅技術者

【概要】
金属材料の腐食により事故や品質問題などの影響を受ける業種は、化学、機械、輸送用機器、海運業、建設業など多岐にわたり、またそれぞれ腐食の種類や形態も異なっています。金属はある環境下で使用され、その環境によって化学的・電気化学的に侵食されることが腐食です。金属材料の腐食の基礎知識がなければ、不具合の「未然防止」は困難です。また不具合が発生した場合の適切な対策が実施できず、類似不具合の再発を防ぎきれません。本研修では、化学・電気・環境・材料などが複雑に絡み合って起こる金属材料の腐食現象について、各々の腐食の基礎知識から始め腐食防食対策の事例まで幅広く解説していきます。金属材料の腐食問題に関する知識全般を習得できます。

【目次】

第1章 はじめに 
1-1 はじめに
1-2 腐食とは
1-3 腐食問題の実状
1-4 腐食防食に関わるコスト
1-5 腐食防食の意義

第2章 金属腐食の基礎知識 
2-1 酸化と還元
2-2 ファラデーの電気分解の法則
2-3 ヘンリーの法則とダルトンの法則
2-4 溶存酸素
2-5 pH
2-6 淡水のpHと炭酸塩平衡
2-7 無機酸の腐食性
2-8 有機酸の腐食性
2-9 塩素と塩化物イオン
2-10 ランゲリア飽和指数
2-11 腐食速度の計算
2-12 炭素鋼
2-13 亜鉛めっき鋼板と亜鉛めっき鋼材
2-14 炭素鋼管と溶融亜鉛めっき鋼管
2-15 ステンレス鋼
2-16 鋳鉄
2-17 銅および銅合金
2-18 アルミニウムおよびアルミニウム合金

第3章 金属腐食の機構と形態
3-1 水中の鉄の腐食プロセス
3-2 電位とは
3-3 電位の測定
3-4 平衡電位の計算
3-5 一般的な平衡電位の表わし方
3-6 金属の標準電極電位とイオン化傾向
3-7 電位-pH図の意味と適用
3-8 酸性水溶液中の鉄の腐食プロセス
3-9 電池と腐食反応の共通点
3-10 腐食形態一覧
3-11 均一腐食
3-12 局部腐食
3-13 孔食
3-14 すき間腐食
3-15 粒界腐食
3-16 応力腐食割れ
3-17 異種金属接触腐食
3-18 酸素濃淡電池による腐食
3-19 エロージョン・コロージョン
3-20 腐食疲労
3-21 微生物腐食

第4章 防食技術の考え方
4-1 腐食を防止する方法
4-2 皮膜防食 塗膜と塗装
4-3 皮膜防食 亜鉛めっき
4-4 電気防食の熱力学的考察
4-5 埋設鋼管のカソード防食
4-6 環境制御
4-7 防食設計
4-8 腐食試験の方法

第5章 腐食防食事例
5-1 小型低圧ボイラの障害
5-2 蒸気還水管の炭酸腐食
5-3 汚れの下部での炭素鋼の孔食
5-4 水の各種着色障害
5-5 亜鉛めっき鋼管の極性逆転
5-6 電食
5-7 塩害による腐食
5-8 海岸鋼構造物の腐食
5-9 船舶外板のカソード防食
5-10 アンモニアと銅合金の腐食
5-11 アルカリ腐食とアルカリ脆性
5-12 蟻の巣状腐食
5-13 ステンレス鋼の孔食
5-14 オーステナイトステンレス鋼の応力腐食割れ
5-15 黄銅の応力腐食割れ
5-16 水素を起因とする各種割れ
5-17 脱成分腐食
5-18 鉛の溶出問題
5-19 埋設鋼管の土壌腐食
5-20 埋設鋼管とコンクリート鉄筋とのマクロセル腐食
5-21 コンクリート中の鉄筋の腐食
5-22 原子力プラントの腐食問題と安全性