パワーエレクトロニクスを含む、車載電子機器のEMC対応設計

概要

自動車では狭い車体内部に多数の電子機器類が高密度で搭載されており、EMC(electro-magnetic compatibility,電磁環境適合性)性能の確保は難しくなる一方である。また、その対応においても、デバイスの高周波化やパワーデバイスの使用に伴って、多岐にわたった技術力を求められるようになってきた。さらに、設計者の専門領域の違いに起因するためか、高周波回路や低周波大電流回路を必要以上に恐れたと思われる設計も散見される。ここでは、車載電子機器がパワーエレクトロニクス回路・デジタル回路・アナログ回路の混在型であることを前提として、回路基板設計から、筐体への搭載法、ワイヤハーネスの処理法、車載化・システム化にあたっての注意事項などに至るまで、事例をもとにわかりやすくEMC対策を解説する。事例によっては、モデルを用いたシミュレーションと実験によって考察を補い、極力物理的・普遍的な形で納得できることを目指す。

 ・日時: 2012年05月18日(金) 10:00〜17:00
 ・会場: Learning Square新橋
 ・主催: 日経Automotive Technology

プログラム詳細

講師
 デンソー
 工学博士 前野 剛 氏 (ワールドテック講師)
 10:00〜17:00

1. 車載電子システムの現状と将来動向の概要
2. 車載電子システムのおかれるEMC環境とEMC規制の概要
3. 車載電子システムのEMC性能確保に向けた検討要件
 ・電子システムの実車搭載状態と対EMC設計の課題
 ・車載システムから輻射される低周波雑音と高周波雑音の事例
 ・車載システムを流れるノーマルモードとコモンモードの雑音電流
 ・電子機器からの雑音輻射とワイヤハーネスからの雑音輻射の検討
4. ノーマルモード雑音電流の流入出の少ない電子機器の設計
 ・電子機器からの雑音電流流出低減の事例紹介と考察
 ・回路基板内における配線パターン間クロストーク低減の重要性
 ・配線間クロストークの種類と影響の理論的考察
 ・電子機器における流入出雑音電流の少ない基板とパターンの条件
 ・低周波電力回路と他回路との同一機器内での取り扱いの考察
 ・回路基板内の雑音電流の可視化技術(EMIとEMS)
 ・雑音に有利なパターンの回路論による考察と電磁気論による考察
 ・雑音源となる素子(IC)の流出雑音低減活動
 ・ノーマルモード雑音電流に対するデカップリング素子の検討
5. コモンモード雑音電流の流入出の少ない電子機器の設計
 ・高周波雑音電流の流入出低減の事例紹介と考察
 ・モータ制御用低周波雑音電流の流出低減事例の紹介と考察
 ・コモンモード雑音電流に対するデカップリング素子の検討
 ・コモンモードを発生させる筐体構造と回路基板処理およびその対策
 ・コモンモードを発生させるワイヤハーネスのグラウンドの処理と対策
6. 車両内で直接輻射の対象となり得る電子機器の耐EMC設計
 ・片面基板で遮蔽のない大型車載電子機器のEMC性能確保の事例
7. 車載電子機器の実車搭載環境に対するその他の配慮
 ・ワイヤハーネスの物理定数と電子機器との整合関係の考察と対応法
 ・イミッタンスチャートによる検証とデカップリング設計
 ・隣接する他のシステムとのEMC関係改善事例の紹介と考察
 ・遮蔽を目的とする配線材の効果的な使用法の考察
 ・ハイブリッド車における流出雑音低減のためのシステム構築の一事例
8. EMC性能確保のためのマネジメント
 ・電子機器の車載化にあたって重要な技術項目と手順
 ・EMC性能確保のための効果的な設計検討・DRの手順



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